2020.01.08@中野サンプラザ

2020.1.8@中野サンプラザ

 


きまるちゃんがお休みを発表して4ヶ月。脱退を発表してからは初めてのライブだった。数日前から緊張して、当日は青の服を着て行っていいのかすごく悩んで、お気に入りのヴィレヴァンコラボのTシャツと青いギンガムチェックのシャツを着た。

 

 

 

 


ステージにはカーネーション、向日葵、百合、紫陽花の花がたくさんあしらわれていて、光もちゃんと4色あった。それが優しさからきてる温かいものだと分かっていながら、私にとっては嫌味なくらい推しが居ないのに存在を感じさせて、それでもステージのどこを見てもあの青を纏う人はどこにも居ないのが悔しくて苦しくて絶望した。

ありがたいことに最前でライブを見ていたのだが、目の前に視界を遮るものは無い初めての環境なのに曲中に苦しくて何度も俯いてしまった。きまるちゃんのパートを歌う他のメンバーに、名前を叫びたいのにそこには居ない彼に、彼のパートで掲げることのない青のサイリウムに。1番前でずっと泣いている事も申し訳なくて、俯いてしまう事も申し訳なくて、100%の気持ちで楽しむ事が出来なくて、私自身の行動ひとつひとつがメンバーのプレッシャーになってしまうのかと考えたし、こんな奴が1番前で見るなよと思うのもわかるし、全てがメンバーにも他の彼らを好きな人にも全部申し訳ない気持ちにもなった。それでも私は今日見なければきっと決心出来ないまま、ズルズルと引きずって、きちんとお別れもできないまま生きることになるのだろうと思ったからライブを見た。

途中で1度無心になってしまった。彼が居ないこのライブで青を掲げられない、呼びたい名前の彼が居ない、居たはずの彼が居ない3人で完成されたステージ。どこを見ていいのかも分からなくて、ただ音を聞いていた。もちろん彼らのパフォーマンスは歌唱にだってあるのだから、体に馴染んだきまるちゃんの彼の声は聞こえない。そのかわりに他のメンバーの個性のある歌が聞こえて、それにすら心が嫌がった。

3人でのライブは9/1の横浜ぶりに見るステージだった。きまるちゃんが休んで5日目、歌割も抜けたり穴のあいたダンスも不安定だったのに、4ヶ月経った今は3人で完成されたものだった。きまるちゃんがいない間、3人が頑張ったのもわかってる。決して消した訳じゃない。お金を貰って仕事として、パフォーマンスを見せる側として未完成なものは見せられない。理解はしていても、心が拒絶してしまって受け入れられない。本当はその場に座り込んでしまいたかった。

 


本編が終了して会場中にアンコールが響き渡る。

私は泣きじゃくった。どこにも彼は居なかった。その現実が1番苦しかった。存在感だけあるのに、どんなに探しても1番前で見ても姿は見えない。もう一度だけ、アイドルの彼に会いたかった。だけどもうそれは絶対に叶わない。その事実が本当に本当に苦しかった。

「どこかで生きているのにもう会えない人は死んでしまったのと全然違うそしてそれは時に同じで」勝手に殺すなって怒りの感情もあったけど、もう会えないし、アイドルの彼は死んでしまったので同じなのかもしれない。

死んでしまった人にも、アイドルの彼にももう会えないのだから。

 

 

 

長めのアンコールが続いて、ステージが明るくなる。そこに出てきたのは青色の紫陽花柄を纏った3人。あぁ、やっぱりきまるちゃんをイメージした衣装だ。と、少し想定はしてたけどすごく落胆した。これも優しさなのは分かってるんだけど、衣装にまできまるちゃんを入れてしまったらいつまでもきまるちゃんは一緒にいれて、それなのにそこに姿がないことが証明されてしまうじゃないか。

和服風の衣装がその証明で、見たくもなかった。周りのオタクがザワついて話すように、私もその衣装を好きになりたかった。

優しさが酷く苦しい形になって心がズサズサにエグられた。

きっとこんな事を思ったら彼らは傷付くだろう。どうして彼らが傷付くことを私は思ってしまうのだろう。とても悲しかった。

 


ミキちゃんが「おなカマときまるくん、私たち二丁魁の全員をひっくるめた曲になっています。」と言って歌ったその日だけの新曲はステージの上のステージでそれぞれのカラーでスポットライトが灯される。白、黄色、青、赤。きまるちゃんのところだけあいた空間を作ったフォーメーションはすごく歪だった。

「失って気づくというけど、いつも大切だった」みたいな(ニュアンス)歌詞を歌うぺいちゃん。そこに彼らの優しさを感じた瞬間、涙が止まらなかった。これは私の心にすっと溶ける優しさだった。

ふと思い出して、大切だったって感じるんじゃ無い、いつ思い出してもどこを切り取っても大切だった彼のかけら。

大きなモニターには過去の映像が映し出されていた。私の知っているきまるモッコリ。話す人の顔を真っ直ぐと見て、猫背ですこし首だけ前に出して、話を聞きながら大きく頷く知っているきまるモッコリ。たくさんの笑顔を向けてくれるきまるモッコリ。最後に、アイドルだった彼に会えることが出来た。これを一生忘れたく無いと思った。

 


続く2曲は彼ららしいキラキラしたアップテンポな曲で、ライブでも定番でだからこそきっとやるとは思っていたけど、しゃくりを上げるほど泣いている私は何も覚えていない。こんなに泣いたのは大人になって初めてだった。

ただ、最後アイドル二丁目の魁カミングアウトのきまるモッコリをモニター越しにでも見ることができて本当に良かった。そう思えた。

 


こうしてライブは終わったけど、正直影アナから泣きっぱなしだった私は1曲目の新曲もきっといい歌詞だったんだろうって、振り返ると思うけど記憶には薄くて、苦しくて聞きたくなかった青春もそっ閉じもボク嫁も、いつも隣に居てくれる彼女がきまはくで対になるフリをしてくれていたのも、後ろで飛んでいるかもわからないそれでも後悔するって思って推しの所で飛んだカエルも、彼のダンスがすごく好きだったのにもう居ないと見せつけられた三原色もリバも、ショートバージョンで歌う曲が青いライトで灯される背景も、1番端でマイクスタンドを使う彼のいない鶴亀も全部全部、数日数ヶ月数年経ったら記憶とこの気持ちは忘れてしまうのだろう。そうしたらきっとまた彼らのライブに行こうと思えた。今はまだ、彼のいない歌やダンスを脳に染み込ませることはしたくないけど、時間をかけていつか受け入れられる時が来たら行けるのかもしれない。ライブで少しずつ3人に慣れて、新しいアルバムで3人の歌を聞いて、それまでは思い出と一緒にいたい。

 


今まで素敵なたくさんの思い出や気持ちをありがとう。暗い所にいる私をそれでもいいよ、って言ってくれるような歌が大好きでした。彼らの歌は人を救えるから、これからたくさんの人に出会って欲しい。だから私もまたいつか。ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


余談

 


私は考えていたり、我慢していたりする時何処かを握りしてめてしまうのですが、今回無意識にTシャツの襟元を強く握っていたぽくて、家に帰ったら襟元がビロビロになってしまっていました。